さいたま市竜伝説



@見沼の笛(見沼全域、見沼区、岩槻区、緑区)
夜な夜な見沼に鳴り響く怪しい笛の音。奏でる主は妖艶な美女だった。その笛の音を追う若者たちは次々と姿をくらましてしまう・・・。

A釘付けの竜(緑区大門/愛宕神社)
悪さをする二匹の竜がいるので、日光に向かう左甚五郎に竜を彫ってもらい大門の愛宕神社に封じ込めた。
その竜が夜中に抜け出し田畑を荒らすという騒ぎになり、ある村人が甚五郎の彫った竜を釘付けにした。

B開かずの門・左甚五郎の竜・釘付けの竜(緑区大崎/国昌寺
田畑を荒らす竜がいるので、日光帰りの左甚五郎に竜を彫ってもらい山門に封じ込めた。
葬式のとき、山門下を通ると棺桶の中が空(から)になったので、山門を閉ざし開かずの門とした。
この竜も釘付けにされたという。


C井沢弥惣兵衛と竜(大宮区天沼/大日堂)
干拓の詰め所で病に伏した弥惣兵衛、そこに現れて干拓を拒む美女は白蛇だった。


D蛍の御殿(見沼地区)
見沼に美しい笛の音が、それをたどると古井戸が・・・。中をのぞくとぱっと明るくなり無数の蛍が舞う。

E弁天様のお使い(南区別所/別所沼弁天、中央区/二度栗山弁天)
別所沼の弁天島で一休みしている車屋に声をかけた美女、美女の頼みで二度栗山に着くと美女の姿は消えて白蛇が石段を登っていく。
二度栗山には竜神様が祀ってある。

F長伝寺の水呑み竜(中央区本町/長伝寺)
大雨の降る晩、寺の欄間の竜が消えていなくなる。
後を追うとあふれそうな川の水をがぶがぶと呑んで冠水を防いでいた。
それでこの地域が冠水しないことがわかった。

G慈恩寺の人身御供(岩槻区慈恩寺/慈恩寺沼)
慈恩寺沼の主の竜は村の女の子を人身御供(ひとみごくう)に求めるが、娘を差し出したら戻ってこないと、村人たちが知恵を絞り、娘の代わりにわら人形を差し出した。
たたりが起きなかったので以来、人身御供はわら人形になった。

Hおしゃもじ様(大宮市天沼/天沼神社)
百日咳で苦しむ子供にいる家に金の竜が現れ、父親に熊野神社にお参りするようにと言う。
お参りするとすっかり咳は治まる。

I竜神の決意(見沼区片柳/万年寺)
井沢弥惣兵衛為永の干拓詰め所に現れ、工事中止を迫る美しい女。行燈(あんどん)の明かりに揺れる女の影は何と竜。
そこで竜神と弥惣兵衛の迫真のやりとりの結果、竜神は沼を人に預ける決心をする。


Jお宮弁天(見沼区新右衛門新田/宗像神社)
真蔵という若者と夫婦になることを約束していた新右衛門の娘お宮は不治の病に陥る。
臨終の際に竜神様に見初められてしまったことを打ち明ける・・・。

K美女と馬子(緑区下山口新田/厳島神社)
馬子(まこ)に乗せてくれと頼む美しい乙女。
お礼に小箱をもらい主人に渡すと、その家は大いに栄え、主人が小箱を開けると家は衰退してしまう。
開けてはいけないと言われていた小箱には竜の鱗が入っていた。

L四本竹と御船祭り(緑区下山口新田・宮本・氷川女體神社)
沼の深いところに御輿(みこし)を載せた船で行き、四本の竹を立てて祭祀の場所とし、赤飯や銭を沼に捧げると渦を巻いて、あっという間に吸い込み、その後で竜神の使いの鯛が箸を吹き戻した。


M竜神灯(見沼地区)
見沼が干拓され、竜神が沼を明け渡すと、毎日灯篭に灯を灯しにくる老婆がいる。
尋ねると沼の主であったことと、灯を灯し続けるように告げると、白い煙となって天に昇っていった。

N蓮をつくらない(見沼地区)
見沼で蓮を作らないのは、蓮のとげで竜が傷つくことを恐れたから。

O御沼の手毬(緑区大牧)
竜のもつ水晶玉は竜の涙。竜神が見沼の水藻で作った手毬が乾いて飛んでしまったので流した涙。

P見沼のゴイ(見沼地区)
ゴイゴイという音は竜の歩く音だったので、見沼の竜を「見沼のゴイ」と言った。
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